だから何ですか?Ⅱ【Memory】
振られたのだと思った。
これがミケの答えだと。
なのに、今更・・・、
「じゃあ、聞くけど・・・、あの時・・何を考える必要があったの?」
「えっ・・・」
「仕事もしていたわけじゃない。なのに、何と測るつもりだったの?」
「っ・・・」
「ああ、言い方が違うか・・・『誰と』測って迷って考えるつもりだった?」
「・・・・・」
「・・・・ほら、無自覚に振られたのは俺だ。2年近くつきあってもリオの中の伊万里に勝てなかった。でしょ?」
「・・・・・」
「そうしてわざわざ俺からいなくなってあげて、帰国が決まったからどれほどリオが報われて幸せしてるか確認しに来たら・・・中途半端」
「っ・・・」
フゥッと吐きだされた溜め息とオーバーアクションに上げられた両手の仕草に、ようやく重苦しい空気は緩和したと思う。
だからこそ私も気まずさ全面に露骨に顔を背けて見せたのだけども。
「面白くないよね~、俺がいくら頑張っても勝てない相手なのに、リオの一途さを俺より理解してないなんて」
「・・・その・・心は?」
「どう伊万里を弄って遊んでやろうかなって」
「っ・・・帰れ!!海外に帰れ!!」
「じゃあ・・・リオが俺に遊ばれる?俺はいいよ。また俺に伊万里を被せて気持ち良い事する?妄想しやすいように目隠しありでもいいよ」
「するか!!妄想するくらいなら伊万里さん本人と気持ち良くなるわ!!」
「そっ、じゃあ、せいぜい俺に気を付けて」
フフッと笑った笑みは今度はどこまでも意地の悪い笑みだ。
本気でどう遊んで搔きまわしてやろうかと画策しているのが楽し気に揺れる双眸で分かる。