だから何ですか?Ⅱ【Memory】
まぁ、こんなカッコイイ強気発言しているけど、実際はいつ横から掻っ攫われるかヒヤヒヤしてるビビり心境なんだけどな。
そんな自分に心で苦笑いを浮かべながら自分の帰り支度も恙なく済ます。
遅刻分の残業の間に井田は店を確保してくる~と先に会社を出てしまっていて、小田に関しては2人きりのチャンスだと俺本人に宣言し仕事上りを待っていた様な現状。
コートも羽織りさて行こうかとブースから身を出し始めると、すぐさまちょこちょこと隣に並んで歩き始める小田の姿。
「どうでしょう?一回はお試し無料の大サービスって事で試してみませんか?」
「ブハッ・・どんな売り込みだよ」
「いえ、言葉でダメなら体当たりかな。と、」
「体当たりすぎるだろ。それに・・・全然煽られねぇ。出直したら~?」
お子ちゃまに興味はない。
そんな事を示す様に頭を撫でての子供扱い。
当然そんな切り返しには不満げに目を細める小田がいて、その姿にしてやったりとクスクス笑ってエレベーターホールまでやってくる。
すでに誰もいない空間で下りのボタンを点灯させたタイミング。
「あ、」
「ん?」
「・・・ぬ、脱いだら凄いんですっ」
「・・・・・・」
「って、言うのは煽られ・・・ませんか?」
「っ・・・ぶっあはははははは!!!」
「っ__煽られませんねっ、はい、全然煽られないでしょうよ。すみませんねっ、あああ、もうっ、」
いや、煽られる煽られないはおいておいて、めっちゃ真っ赤になりながらそれを言ったお前は可愛いと思ったよ。
と、心で思うも音にはしない。