だから何ですか?Ⅱ【Memory】




今も更に顔を赤く染め挙げ自虐的に『すみません』と逆切れする姿もむしろ好感で可愛いと思う。


ついつい更に虐めたくなるような感覚すら疼くも、それをする程自分たちの一線を弁えてないわけじゃない。



「なんかなぁ、」


「・・・何ですか?」


「いや、俺達ってなんて言うか間が悪いって言うのか。もっと早く絶妙な駆け引きなく『好きだ』って言ってたら普通にうまくしてたわけだろ?恋人同士ってやつ」


「私は今からでも大歓迎ですけど」


「悪いけど俺のベクトル亜豆に向きっぱなしで動きそうにないもん」


「またそうやって傷抉るように惚気る」


「惚気るよ~。むしろどんどん俺の株下がれ~って惚気まくるよ」


「すみません」


「ん?」


「惚れ直しました」


「フッ・・何でだよ、」



本当に、時々戸惑って困る瞬間がある。


時々・・・亜豆を彷彿とさせるような言動を小田もして、ドキリとするのは亜豆と被るせいか、小田本人への動悸なのか絶妙なところ。


いや・・・やっぱり亜豆を思いだしての動悸が強か。


可愛いと思えど手を出そうとまでは出来心さえ疼かない。


すげぇな。


亜豆さまの呪い発揮か。




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