だから何ですか?Ⅱ【Memory】
「伊万里さん、にやけてます。気持ち悪いです」
「えっ・・・、あっ・・気持ち悪いって酷いな」
「なんか・・・無性に腹立ちますね」
「えっ?」
「どうせまた私に亜豆さんと似た部分見つけて重ねてにやけてたんでしょう?」
「亜豆馬鹿でごめんねぇ~?」
「っ・・ムカつく!」
「っ・・・」
いつの間にか思いだした亜豆に対して顔がほころんでいたらしく、遠慮なしに気持ち悪いと突っ込んできた小田は不愉快顔だ。
それにもこちらも遠慮なしにどこまでも亜豆への好意を示してクスクスと笑っていれば、『ムカつく』なんて悔しそうな声と同時にいきなり背後から抱き付かれて驚愕に硬直した。
あれ?
ちょっと・・・コレなんだ?
と、一瞬色々戸惑い理解しようとしても現実逃避したい思考も働き頭が正常化しない。
抱き付かれるまま、どう切り返すべきかと不動でいると。
「好きです、」
「っ・・・」
「どうしたら・・・私がまた伊万里さんの恋愛フィルターに入りますか?」
「・・・・ど・・どうしたら・・だろうな、」
分からない。
正直、今だって小田に揺らぐような感じはないけれど、やはりこういったアタックには多少平常心突き崩されてドキリとはする。