だから何ですか?Ⅱ【Memory】
♡♡♡♡
首元が違和感だらけで落ち着かない。
少し動かしただけで必ず突っ張る絆創膏にいちいちされた事を再確認されているようにも感じる。
オフィスの自分のデスクでキーボードを叩きながら時々こうして意識を引かれる。
同時に虐められた記憶も浮上して、もどかしいと眉を寄せてはそれを伸ばした。
本当の傷痕であった場所に一枚。
他3枚は噂を盛り上げるに等しい扇情的な意味。
開き直ったと宣言した途端に箍が外れたように積極的と言うのか、本能的というのか。
アレが本来の伊万里さんなんだろうな。
本当はどこまでも自由で欲求のままでありたい人。
だけど、現実的社会を生きるにはやっぱり抑制は必要で、それを知らず知らず恋愛にも持ち込んでいたんだろうな。
でも、恋愛においてのそれを取っ払った。
あの意地悪は狡いっ!!
思いっきりドキドキして焦れて疼いて今も苦しいじゃないか!
私も大概、伊万里さん好きだよなぁ。と、改めてしみじみと自分を再認識していた最中。
「亜豆、3番外線だって、」
「あ、はい、」
そんな声かけに妄想から回帰し、点滅しているボタンを押してから受話器を耳に当てた。