だから何ですか?Ⅱ【Memory】
Xmas Lovers
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「だいぶ、来場者はけたなぁ。20時でイベントは予定通り終了するってさ」
「了解。・・・あと5分くらいか。小田っちは?」
「控室で担当さんと話し込んでたぜ」
「そっか。井田も先に挨拶してきていいぞ」
「了解~」
すでに人もはけつつある会場を捉えながらフゥッと息を吐いてツリーを見上げる。
大きなツリーにオーナメントも初日よりかなり増えたと思う。
それだけ大勢の人が来場して参加してくれたわけで、企画としては大成功と言っていいだろう。
イベントは終了してもこの空間は解放しておくのでデートスポット的にツリーの前にはカップルがちらほらと見える。
オーナメントを配っていた入り口に向かえば、程よく在庫切れだと配っていた店員がにこやかに笑って後片付けを始めている。
色々とあったけれど心地の良い達成感を感じ、再びツリーに体の向きを変え見つめあげていれば。
「すみません。まだ、オーナメントかけてもいいですか?」
「あ、申し訳ありません。オーナメントの方は配布終了になっておりま______・・・って、何してるんだ?」
不意に背後から声をかけられ、営業モードで対応して振り返れば捉えたのは見慣れた姿。
いや、見慣れない姿の亜豆か。