うそつき 2
入学式が終わって教室に戻る。



「果乃ちゃん、部活入るの?」



「うん。唯兎くんがテニス部に入ったから私も入ろうと思って」



「そうなんだ、私どうしようかな」




そう言って頭を抱えるユキちゃん。




「無理に入る必要もないんじゃない?」



「そっかー、そうだよねー、じゃあ入らないでおこう」




きーめた、と言ってニッコリ微笑む。




すると、少し遅れて教室に葵衣くん…とイケメンさんの男の子が入ってきた。



2人はトコトコと私たちの方に近づいて来る。



私はビビって身構える。



すると、ユキちゃんは葵衣くんにしっしっとジェスチャーをしてくれた。




…構わず近づく葵衣くん。




「翔、いた」



「だからどうした」





熟年夫婦はよくわからない会話をする。



クラスにたくさん男の子がいるっていうのに、こんな近くに男の子がいるとそろそろ難しい。

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