うそつき 2
「果乃の嫌いな匂い、する…?」




唯兎くんは私の首元に顔を寄せてぼそりと呟いた。




私は少し横を向いて唯兎くんの匂いを嗅ぐ。





「ちょっとだけ…してる」



「そっか…」




そういうと、唯兎くんは私から離れて風下に座った。





「佐々倉さん、すごい匂いするんだよ」





ポツリと言った。





「それも、少し近づいただけでなかなかきつい匂いが。




だからすぐ、匂い、ついちゃうんだよね…」





唯兎くんは目を伏せた。




唯兎くんは悪いと思ってくれている。




でも、私からしたらそんなの結果であって。



事実が、唯兎くんが女の子と笑っていたっていう事実が、私の心を黒くしていく。




「知らないよ、そんなの」



「果乃…?」




優しい唯兎くんに強い言葉を当てる。




「唯兎くん、楽しそうだったもんね。



2人で並んで遊んでたもんね。



だから匂いなんかつくんだよ」
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