うそつき 2
家について、着替えてすぐ、ソファに倒れこむ。



なんだか、人の多いところは疲れるな…。




「果乃?大丈夫?」




唯兎くんが私に近づいてきて、ソファの横にしゃがむ。




「んー、多分?」



「そっか。ご飯作っとくね。食べれるときに食べよう」



「んー」



唯兎くんが立ち上がるのを見て、なんとなく寂しく思う。



もうちょっと、一緒にいてくれないかな…。



そう思ったときにはもう私の手は伸びていて。



起き上がって唯兎くんの制服の裾を握る。




「ん?どうしたの?」



「あ、いや、何も…」



「言わなきゃわかんないよ?」




そう言って私の顔を覗き込む唯兎くん。




「…っ、あの…もうちょっと、一緒にいてほしいな…って」




恥ずかしくてうつむきがちにそういうと、唯兎くんはふふっと笑って私を抱きしめてくれる。



優しい。
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