うそつき 2
「柚月…?どうしてここ…」




「唯兎が教えてくれたの」





唯兎くんが…?




どうして、声かけてくれなかったんだろ…。






「ほら帰るよ。あんたのカバンも持ってるから」




「でも、私…」




「今日は私の家に泊まりな。お母さんには言ってあるから」




そういうと、柚月は私の手を取って歩き出した。




唯兎くん、迎えに来てくれなかった。




嫌われちゃったのかな…。




最低なことしちゃったし、当たり前、だよね。




「安心しな。嫌いになってなんて無いと思う」




「へ?」



「唯兎のこと考えてたんでしょ?



果乃が嫌いになったんじゃなくて、果乃のこと好きだから。絶対。



じゃなきゃ、『柚月、果乃に嫌われたんだけどどうしよう』なんて言いにこないから。



めちゃくちゃ泣きそうな顔してたし」




柚月はふふっと思い出し笑いをしながら、楽しそうに喋る。
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