うそつき 2
私が唯兎くんのこと、嫌いになるはずないのに。



大好きなのに。



嫌われたのはむしろこっちじゃ…。




「あんたたち、ほんと不器用。一方的に押し付けてるだけじゃなんの解決にもならないでしょ」




柚月は私にデコピンをした。




「痛いよ、柚月」



「当たり前でしょ、デコピンなんだから」




柚月は優しい。



こんな強く言ってくれているけど、根はいい子。



そして、びっくりするぐらい寂しがりや。



本人は女王様の仮面の下に隠し切れてると思ってるみたいだけど、実際はそんなことない。



部屋を見たら一目瞭然。



アニメに出てきそうな可愛い女の子の部屋をそのまま作ったようなおしゃれな部屋で、かつ、ぬいぐるみだらけなのだ。



それを毎日抱きしめて寝ているのを私は知ってる。



きっと、和馬くんにも甘えまくってるのだろう。




「ともかく。



2人とも落ち着いて、1日考えてみるのがいいと思うの。



だから唯兎も今日は和馬の家に泊まってるから」
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