うそつき 2
唯兎くん、1人になると急に考えすぎてしまう性格らしくて。



誰かが見てあげないとダメみたい。




私は流れのまま柚月の家に転がり込んで久しぶりのおばさんとの再会にテンションを上げつつも、1日、過ごさせてもらった。








…否。





体育祭当日までずっと、柚月の家に泊まらせてもらった。



私がただ、家に帰るのが怖くなってしまっただけ。



幸い、体育祭が終わるまでは準備が忙しくて、部活はなかったのだけど。




会いたくないって思う反面、唯兎くんが居ない生活はぽっかり穴が空いてしまったみたい。





…今日は、帰ろう。



それで、いつもみたいにぎゅーって抱きしめてもらおう。



…まだ、好きで居てくれてるかな。



もう、嫌いになっちゃったり、してないかな…?




お祭りの熱気がグラウンドを包む。




私はただぼーっと、テントに座っていた。
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