うそつき 2
そう言って微笑んだ佐々倉さんの横顔はなんだか、寂しそうで。



今にも泣きそうだった。




「唯兎くんは、果乃ちゃんのことが大好きみたいね。



今日なんか告白する前から『果乃に嫌われたんだけどどうすればいいと思う?』なんて、私に聞いてきて。



ほんとに、あなたはいいね、唯兎くんに大事にされてて」




そう言いながら佐々倉さんは私のほっぺたをつねった。




「ずるい、ほんとに。



でももう、諦めるから。安心して?」





私、何してるんだろう。




唯兎くんはずっと、私のことを思ってくれていた。




なのに私はヤキモチ妬いて、勝手に唯兎くんから離れて。




今度は唯兎くんに会いたいなんて、思ってる。



勝手だ…勝手すぎる。



でも…。





「ちょっと、唯兎くんに会ってきます」



「いってらっしゃい」



「果乃ちゃん、頑張って」




佐々倉さんと秋帆ちゃんはにっこり手を振ってくれた。
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