うそつき 2
私は立ち上がって走り出した。



行かなきゃ。



唯兎くん、唯兎くん…。



3年生のいるテントの方へ走る。




あっ、




「柚月っ」



「果乃?そんなに急いでどうしたの?」



「あのっ、唯兎くんは…っ」



「あー、さっき体育館裏に告白されに行ったよ?」



「っ、ありがとっ」




私は体育館裏に急いだ。



モテすぎなんだよ。



ヤキモチやくにきまってんじゃん…。



体育館に近づいた時、涙目の女の子が走り去るのが見えた。



私は体育館裏を覗く。



1人、小さい男の子が向こうを向いて立っていた。




「ゆ、唯兎くん…」



私の声に振り返る。




「果乃?」




あぁ、唯兎くんだ…。



驚いていて、アホそうな顔をしているけど…唯兎くんだ…。




「どうしたの?なにか、あった?」




唯兎くんはいつも通りに話しかけてくれる。
< 151 / 155 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop