うそつき 2
「果乃ちゃん、髪の毛結ぶの?」



「へ?あ、うん。くくった方が楽だから」



「私が結んであげる」



そう言って秋帆ちゃんは私の髪を綺麗にポニーテールにしてくれた。




「ありがとう」




綺麗にくくってくれたのを嬉しく思っていたら、秋帆ちゃんはえへへと笑った。



「人の髪の毛触るの好きなんだ。果乃ちゃんみたいに喜んでくれると私もうれしい」



そう言って私の手を取ると隣のコートまで走る。




あわわっと思いつつも急いでついていくと、優花先輩は既にありえないほどの量のボールが入ったかごを準備していて。



名前を覚えられなかった先輩にラケットを渡される。




「私、柚月より酷いからね?」



と、にっこり笑ってそういうと、えげつないスピードのボールを打ってきた。



「わ…っ」



私がびっくりして口を開けていると、秋帆ちゃんはやすやすと打ち返す。
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