うそつき 2
「そんなわけないじゃん。


…ほら、果乃ちゃんも行こう?」



「うんっ」




校内をユキちゃんの後ろに隠れて歩く。



男の子、多いなぁ…。



大きいし、なんだか壁みたい。




「果乃ちゃん、ここ」



「ここの教室なの?」




わいわい騒がしいかと思いきや、みんな新しい環境に緊張してしまっているのか、声がほとんど聞こえない。



しかも、なんだか男の子が多いみたい。



どうしよう。



ユキちゃんの服の裾を強く握りしめてしまう。




「大丈夫だよ。私いるから。多分、名簿的に前後でしょ」



ユキちゃんの名前は『沢城友希』。



だから、多分私の名前の『城ヶ崎果乃』っていうのの、前に来るんだと思う。




黒板に貼ってある席順を見たらその予想はバッチリ当たっていて。



「よ、良かったぁ」



「そうだね、私も果乃ちゃんがすぐ近くにいて一安心だよ」
< 7 / 155 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop