うそつき 2
やっぱり今日は早く寝てもらおう。



私を騙すなんて100年早いよ。



ずっと見てきたんだから、気づかないわけない。



うん、隠すの下手すぎだもん。



いつもより、動きが悪いし、顔色もあんまり良くない。



それにいつも顔に出るえくぼが今日はあんまり出ていない。



口角が下がってる。




疲れてるんだよね、寝かせてあげなきゃ。



フェンスにもたれかかって唯兎くんを見つめているまま部活終了のチャイムが鳴った。



片付けだけ参加して唯兎くんが迎えにくる。



そのまま2人で並んで帰った。




「果乃、大丈夫?」



「ん?何が?」



「さっき、水分不足で倒れそうになってたでしょ?」



「あはは、もう大丈夫だよ」




唯兎くんは私の顔を覗き込んで聞いてくる。




「そう、ならいいんだけど」



「唯兎くんこそ、我慢しちゃダメだよ」



「へ?」




何が?という風に頭にはてなを浮かべる。
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