カラフル
〔暗いし危ないから〕という理由で凪を家まで送った後、拓海は今日の事を思い出しながら家へと帰った。
思い出しただけでもにやけてしまう。
1人でにやけていたら姉ちゃんにきもい。と言われ、ぐさっと刺さるがにやけてしまうのは止められない。
部屋でごろごろしていると友達である賢が電話をかけてきた。
「なに?」
『何だよー。折角電話かけてやってんのにぃ。』
「別に頼んでねぇよ。」
賢は妙にテンションが高かった。
賢の声の他に複数の聞いた事のある声が聞こえてくる。
多分、学校でいつも一緒に居る奴らだろう。
「で?用件を言え。」
『お前、キャラ違くね?まぁ良いや。』
電話口の向こう側がやけに騒がしい。
何をやってるんだか。
拓海はふぅ、と息を吐いた。
『今日、あれから小室ちゃんと何かあった〜?』
「…………は!?」
それは、予想もしてなかった用件だった。