カラフル
「凪っ!」
資材室の手前で後ろから名前を呼ぶ声がした。
なんだ、ペンキの追加か?
抑えられないイラつきを言葉にのせて振り返った。
「何っ?」
「え!? 俺何かした?」
「わっ、拓海くん!」
其処に居たのはペンキの追加にきたクラスメイトでは無く、ずっと話したかった拓海だった。
「あ、ごめん。」
「いや、良いんだ。ペンキ重たいだろ?手伝いに来た。」
「えっ、有難う。」
思わず顔が緩んだ。
自分を気付いてくれた事が何よりも嬉しかった。
「リスト貸して?」
「ん。」
凪は拓海にリストを渡した。
とりあえず、リストの1番上にあった白を取りに奧へ進む。
「うわ、多いなぁ。これ1人でどうやって―――――」
運ぼうとしたんだ?と聞こうとしたが顔を上げた瞬間そんなのどうでもよくなった。
「っ凪!!」
「―――――え?」
凪の頭目がけて大量のペンキの缶が落ちてきていた。