カラフル
保健医が保健室を出る音がする。
拓海の2人だけだ。
顔が何故か赤くなる。
「…………。」
拓海の寝顔を見て、今さっきの事を思い出す。
何でだろう。
顔が、身体が熱い。
拓海の肌が触れた部分が熱をもち、それが全身へと広がる。
さっきから頭の中が拓海の事でいっぱいなのだ。
文化祭で忙しい筈なのに、いつもどこかで拓海を考えている。
「……―――っ!」
いや、まさかまさか。
凪は拓海のベッドの近くに座りながら自問自答を繰り返す。
だって相手は昨日初めて話したような人だよ?
失恋したばかりでしょう?
何度繰り返したって、答えは同じだった。
これは、一種の病。
気付いたらもう止められない。
『恋』という名の病。