カラフル



保健医が保健室を出る音がする。

拓海の2人だけだ。

顔が何故か赤くなる。

「…………。」

拓海の寝顔を見て、今さっきの事を思い出す。



何でだろう。

顔が、身体が熱い。

拓海の肌が触れた部分が熱をもち、それが全身へと広がる。



さっきから頭の中が拓海の事でいっぱいなのだ。

文化祭で忙しい筈なのに、いつもどこかで拓海を考えている。

「……―――っ!」

いや、まさかまさか。

凪は拓海のベッドの近くに座りながら自問自答を繰り返す。



だって相手は昨日初めて話したような人だよ?

失恋したばかりでしょう?



何度繰り返したって、答えは同じだった。

これは、一種の病。

気付いたらもう止められない。





『恋』という名の病。



< 19 / 61 >

この作品をシェア

pagetop