カラフル
3日前の事故
それは文化祭3日前の出来事。
その一瞬でクラス全体が静かになった、というか言葉を失った。
文化祭が3日後に迫ってきているというのに遊んでいた男子数名が続け様に転び、文化祭で使う筈の看板を真っ二つに折ってしまったのだ。
たこ焼き、の文字がこれまた綺麗に2つに切れている。
「……っ…!」
「…………あ、悪ぃ。」
1番最初に転んだ男子、登坂拓海(とさかたくみ)が軽く謝った。
その瞬間、クラス全体の女子から悲鳴が上がった。
「「きゃ―――――っ!!!」」
「うわ、っるせ!」
拓海は耳を塞ぎ、まるで他人事のようにしている。
「あんた何してんのー!?」
「製作時間に何日費やしたと思ってんの馬鹿ー!」
「だから謝ったじゃんか!」
「誠意がない!」
「ちゃんと責任者であり看板製作担当者の凪ちゃんに土下座で謝ってよね!」
教室の端で小さく青ざめていた小室凪(こむろなぎ)に視線が集まった。