カラフル
2日前の戸惑い
「…………。」
今さっき凪が教室の前のドアから走って出ていった。
拓海は教室の後ろのドアのところの死角に立っていて。
ふぅ、と溜め息をつく。
拓海は今の話は聞かなかった事にしよう、と自分に言い聞かせるが思いの外、ショックだ。
拓海はその場を後にした。
あの後、拓海はしばらく校舎内を歩いて教室に戻るといつも通りの凪が1人でせっせと看板を作っていた。
後ろ姿、背中が小さい。
凪に近付くと凪も気配を感じたららしく後ろを振り返る。
「あ、拓海くん。もう大丈夫なの?」
笑顔が引き攣ってる。
そんな、無理して笑わなくても、嫌なら嫌と言ってくれれば。
良いのに。
「おう。1人でやらせて悪かったな。」
「ううん!昼間まで全部やってもらっちゃってたし、それは寧ろ私の台詞だよ。」
拓海は凪の隣にペタン、と座る。
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