カラフル



別に辛いわけじゃないけど。
正直疲れる。

キリがついたのは夕方の6時をかなり過ぎていた。

「んー…。…疲れた……。」

自分の机の上に頬を付け、窓の外を見る。

そとはもう暗い。

外からはまだ残っている生徒たちの声が遠くまで響いていく。

「拓海君……。」

昨日、この場所でキスされた相手の名前を呼んでみる。

目を閉じ開けた瞬間、前にいる気がした。


「…………。」

だけど居るわけ無く。

期待だけがどんどん大きくなっていく気がした。





明日は文化祭だよ。

明日は来ますか?
来るよね、きっと。

来たら聞いても良いですか?

どうしてキス、したのって。





「……帰ろ。」

机の横にかけられた鞄を手にとり教室に鍵をかける。

隣のクラスを見てみると男子生徒が数人残っていた。



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