カラフル



意識が浮上したのは日が大分傾いてきた頃だ。

寝過ぎて頭痛い。

「腹減ったなー。今日、母さん遅くなるんだっけー。」

朝言われたのを思い出した。

千円札を渡されて凄く謝られた気がする。
頭がぼーっとしてたせいか記憶が曖昧だ。

「出前……メニュー表の場所分かんねぇよおーい。」

電話帳の場所をガサガサと探すがそれらしきものは見当たらない。

「……コンビニ行くか…。」

今は行きたくない場所。
記憶を霞めるが押さえ込む。

もう、好きじゃない。

何とも思ってないから。

でないとあのキスの意味が無くなるじゃんか。





そう、あれは





―――さよならのキス。



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