カラフル



―――――が。

「拓海っ!小室ちゃんが呼んでる!つか泣いてねっ!?」


賢に言われて拓海が振り返った先には

「拓海くんっ…!」

顔を赤く染めて泣く、凪の姿があった。

拓海が振り返ると凪はそこで足を止め、流れる涙を自分で拭いた。

周りの人がかなり見てる。

拓海は凪に近付いていきたがったが昨日の決意がそれを止める。


“俺の存在が凪を傷付けるならば俺は君の前から消えよう”


「ごめ、んね……。少し、話したい事、があって、それ言ったらす、ぐに消えるから。」

息を切らしながら話す凪に近付こうとする身体を拓海は必死に抑えた。



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