カラフル

3日前の偶然




彼とその子のその場面を見てしまったのは別れる3日前。

本当に偶然だった。


キスしていたのだ。


お互いを抱き締め合って、明らかに一方的でない、愛を確かめ合う深いキス。

時々洩れるその子の吐息混じりの声が心に突き刺さった。

嘘だと思いたかった。

この恋に終わりを告げたくなかったのに。

どうやらそう思っていたのは凪だけだったらしい。





凪はそこから走って逃げた。

頬に暖かい涙が伝う。

辿り着いたのはその恋の終わりの場所だった。



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