カラフル



そう言えば今朝も凪は泣いたような顔だった。

ひょっとしてこれ?

俺に嫌われてると思って?

「…………っ!」

やばい。
凄く嬉しい。

拓海は赤くなった顔を隠そうと口を抑える。

「……凪。ごめんね…。」

君を泣かせて。

俺の勝手な思い込みで。





「俺も、凪が好きだよ。
ずっとずーっと、凪が好きだった。」





その言葉を聞いた瞬間、凪がばっと顔を上げた。

「嘘……。」

「嘘じゃないよ。
凪より片想い歴、長いかんね俺。」

泣き出す凪を拓海は優しく、強く抱きしめた。



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