幸せの種
あとがき
最後までお読みいただき、ありがとうございます。
どんな子も幸せになって欲しい、そして、今の自分の環境がたとえ劣悪だったとしても、そこから抜け出すための努力は続けて欲しいという願いのもと、一週間で書き上げました。
仕事柄、社会的養護や虐待を受けた子ども達に対するアタッチメント、心のケアなど勉強させて頂く機会があり、それをテーマにした話を書いてみたいと思っていました。
ちょっと大賞のテーマとは離れてしまったかも知れませんが、自分にとっての書きたいことがこの一週間で溢れ出て止まらなくなったような感じなので、書き上げてとてもすっきりしています。
ちなみに、前半が三人称、後半部分が千花の一人称となっているのは、千花の眼から見ると、児童養護施設職員の苦労が伝わりにくいという理由からです。
おちびちゃんの千花が知らないうちに急接近していた、高橋サンタと穂香先生の恋バナもお楽しみ頂けると嬉しいです。
この話は全てフィクションですが、ここで取り上げた『負の連鎖』というのは実際に沢山あり、毎日傷ついた悲しさや怒りを突きつけられながら働く児童養護施設の先生やカウンセラーは本当に大変です。
時に親代わりとなり、親以上にその子へ愛情を注いで頑張っている先生達の苦労は、並大抵のものではありません。
子ども達の最後の砦として頑張っている児童相談所や児童養護施設の先生が、もっとその努力を世間の皆さんに認めてもらえますように。
最後になりましたが、もしもまた機会がありましたら、違う作品でお会いできますように。
2018.8.10
水瀬 和奏