僕らのReLIVE

——目を覚ますと病院のベッドの上だった。

隣には母がいた

話を聞くとどうやらボールを目にぶつけそのまま倒れたらしい。熱中症が原因でもあるとも言っていた。

試合は僕が倒れた後、守っていた選手がマウンドに上がったが、投手経験はかなり浅く大量失点を受け6点差で敗北した。全国への切符を失った。

——くそ、僕があのボールさえ取れていれば…いつもならあの打球なんて取ることができたのに…
あれ、そういえば視野が狭いような……

ふと気付いて手で目元を触ってみると右目には眼帯がしてあった。

——ああ、おれの中学最後の夏が終わったんだな。

敗北をここで感じた

僕の右目は視力を失ったまま退院した。

次の日、学校に行った。
入院していたから学校に行くのは5日ぶりである。

「おう、たくみ!惜しかったってな!全国もあと少しだったじゃないか」

「やほー、たくみー、目大丈夫?あと決勝惜しかったね!でもここまでいけたのすごいじゃん!この学校の誇りだよ!」

クラスメイトが集まってきて僕に話しかけてくる。決勝で勝てば24年ぶりに全国大会でもあったが、決勝にあがれたのも24年ぶりだからここまで讃えられるのだ。

「決勝にいけたのは、たまたまだよ」

と、僕はそっけなく返答していた。
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