このチャラ男一途につき…





【いつから】なのかだなんて………最初から。

【巴ちゃん】なんて存在の方がイレギュラーでそのせいで考え方が混乱したに過ぎないんだ。

あー……あー……そうか……そう…なんだ。

理解してしまえばえらくすっきりと混乱からは解放されたのに……今度は悶絶。

「っ~~~~あんの…策士っ!!」

色々と、

そう、色々と!!やり方が狡いっつーのっ!!

全部全部、知った上で素知らぬ感じに流していたのだ。

素知らぬふりの上で自分の一途さを垣間見せて、架空の存在に嫉妬を抱かせ更にこちらの想いを高ぶらせて。

何が性質が悪いって、巴ちゃんとして告白したあの瞬間にネタばらしする事だって出来たのだ。

それなのに敢えて【巴ちゃん】は対象外だと、どこまでも本命に一途なのだととことん印象付けるように告白を拒んで傷つけるとこまで全て。

全部全部お膳立てだ。

この瞬間に至る為の。

お金と一緒に置かれたこのリップさえも。

吐季さんの一途色。

如何に自分が【巴】に一途であるのか見せつけ焼き付けて、【巴ちゃん】さえも犠牲にしてこのタイミングだと行動を起こした。

まんまとだ。

まんまと……【巴】への一途さをこれでもかと見せつけられた。

悔しいと思うのに

「っ…………はあ……もう、好き」

偉く厄介で策士な一途さに捕まったものだ。

……それに獰猛ときたものだ。



< 33 / 79 >

この作品をシェア

pagetop