このチャラ男一途につき…





「知らねえよ。人のせいにすんな。勝手に興奮してる吐季が悪い」

「あ、良いねぇ。口の悪さも【吐季】呼びも。ますます興奮」

「あっそ、じゃあ俺仕事戻るから。はい、本日の珈琲になりまーす。またの起こしをお待ちしてまーす」

「放置プレイ~。ひっどいなぁ、店員のテイクアウトは~?」

「コーヒー込みのセット料金1000円で買えると思ってたわけ?随分と安い査定されてんな俺」

「1000円だけじゃなかっただろ?」

「………」

「あれの価値こそ計り知れなくね?俺の一途さの結晶よ?」

「……もう、黙ってくんない?チャラいのウザい」

「……本心は?」

「くっそ悶えて仕事どころじゃなくなるわ、好きなんじゃボケッ」

「ククッ、本当欲情するわ。どんだけ可愛いの」



本当、そっちこそどれだけチャラさ発揮するわけ?

その都度一途さを垣間見てしんどいんだけど。

見た目通りのチャラさ良いなんて誰が求めた?

一途の矛先が自分だったら綺麗だなんて誰が思った?



ああ、全部自分だ。



< 37 / 79 >

この作品をシェア

pagetop