このチャラ男一途につき…


これで体型が豊満であったり、髪を伸ばすやら化粧を施すなりすれば間違われる事もないのも重々承知。

それでも、特別自分の容姿にコンプレックスもなければ、可愛いという事に対して執着がない。

男兄弟の中で育ったせいで口調も単調で男っぽく、仕事でなければ愛想笑いもしないときてる。

化粧に関しては……正直面倒くさい。

そもそも何でわざわざあんな肌に悪い物塗ったくってまで自分を作らなきゃいけないんだと思うわけで。

結果、男と間違われる事に関しても当たり前すぎて無関心な今日この頃なのである。

今だってそうだ、常連の中には当然若者な女子も多くて、その中には自分目当てに通う様な子もいたりする。

いつだったか手作りのお菓子をくれる古風で可愛らしいお嬢さんもいたっけ。

おずおずと頬染めて自分に夢見がちな目を向ける女の子達にはさすがに騙しているような罪悪感を覚えてしまう物で。

だったらせめて夢をぶっ通してあげようと敢えて訂正もせず。

かといって理想のイメージを演じるでもなく、ただひたすらに自分であり続けて日々を流すのだ。

……そんな風に…流してたつもりなのにな。

最近少々、そう言いきれなくなった日常であったりする。


< 4 / 79 >

この作品をシェア

pagetop