このチャラ男一途につき…
まあ、処女嬉しい~なんて言いだす男とは思ってなかったけど。
心底安心した。と言わんばかりににこやかに語ってくる事には肩を竦めてビールを一口。
まあ、自分が未経験でも済みでもそれはさしたる問題でないのは吐季もまた同じなんだろう。
それにしてもだ。
あけすけすぎてなんて色気もときめきもない。
晴れて両思いになったと言うウブさもなく、身を置く店だってムードもへったくれもない居酒屋だ。
いや、そういうとこでいいと言ったのはこっちだけどね。
当然吐季の部屋に行く気満々であったのに、悲しいかな体の問題で予定の大番狂わせ。
いや別に、セックスが目的の全てで吐季の部屋に行きたかったわけじゃない。
それは目的の一つで、純粋にもっと踏み込んで知り得なかった吐季の姿を見たかったわけなんだけど。
それでも、吐季からしたら性的な時間に繋がらない訪問はどうなんだろう?と踏みとどまって考えてしまったのだ。
別に今更体目当てとか最低印象で吐季を見てるとかじゃなくて、男の人の生理的に訪問されるとどうなんだろうと気になって。
別に今日でなくとも機会はある。
今までとは違って躊躇いなく欲求を口にしていい関係になった訳だし。