このチャラ男一途につき…
だから、『どうする?』なんて問いかけてきた吐季の笑みに、『とりあえず、ご飯でも食べよっか』と、良い子な自分が今の時間を提案したのだ。
行きたかったけどね。
本当に吐季の部屋入ってみたかったけどね。
でも、まあ……この時間も充分に楽しいのだけど。
あけすけで色気の無さが逆に距離の狭まりを感じて。
どうしても越える事が出来なかった隔たりを今は全く感じなくて心地いい。
自分が一線を気にして巴ちゃんをしなくていい。
吐季であっても吐季さんの時の様などこか作った人の良さで対応してくるわけじゃない。
他所の付き合いたての関係の甘さなんて知らない。
でも、自分には今のこのあけすけさが何よりムードを感じて付き合いを意識させる甘さなのだ。
今だってサラリと単調に飲み合わせていても、内心では吐季と過ごしている時間に浮かれて湧いている。
まあ、だからこそ最初の問題に回帰して、一気に詰められる筈だった道の隔りに不満を感じて眉根を寄せてしまうんだけど。