羊だって、変るんです。
何時もの通り、空腹が満たされるまでは、物凄い勢いで食べるが、一息付けば大人しくなる。
「やっと一息ついた」
喉に詰まらない様にと持って来て貰ったお茶を勢い良く喉の奥に流し込み、大きく息を吐いた。
「家で食べて正解だったね」
凱に言われて苦笑する。
『ホントだ。こんな姿外では見せられないよ。』
「そう言えば、お父さんと紫苑は?」
やっと周りの事に注意が行くようになり台所の母に声をかけると、デザートの葡萄を皿に乗せて綾子が居間にやって来た。