羊だって、変るんです。
その5
風呂上りだからスキニーパンツにTシャツ姿でサンダルを履いて来たが、もう少し気を使って出てくれば良かったと後悔していた。
近くにある、商店街は夕方で遠目でも活気が出ていた。
高校を卒業してから来た事が無かったので、随分と久しぶりだ。
『そう言えば・・・この辺って・・』
地元の人間によく会った事を今更ながら思い出した。
ドクンと心臓が跳ね上がった。
あれから何年も経つのに、当時を思い出すだけで息苦しくなる。
『大丈夫だよね・・・そんなに偶然が重なる事ってないよね』
自分に言い聞かせるように、商店街に入っていく。