羊だって、変るんです。

「僕を一人にするなんて酷いな」

「え・・あ、だって、凱疲れてると思って・・」

悪戯っぽいが色気のある笑みで笑いかけられ、顔が赤くなる。

「せっかく杏奈の地元に来たんだから、案内してよ」

そう言われも直ぐに返事が出来ず、コクリとだけ頷き、歩き出そうとすると、手を繋がれた。

「!?」

車で移動が多い所為か、手を繋いで歩いた事があまり無く、ただ手を繋いだだけで恥ずかしさに真赤になる。

『いつもの調子が出ない』

チラリと凱を見ると笑顔でこちらを見ていて、更に恥ずかしさが増す。
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