羊だって、変るんです。




「ん・・ふぅ」

啄ばむようなキスから、歯列を舌でなぞるようになり、口を開いたら凱の舌が侵入して来た。

濃厚なキスに体が溶けてしまいそうになった時、凱が杏奈から離れて行った。

体に力が入らなくて凱に支えられる。

「ごめん。」

「ごめん?」

まだ頭が働かないまま、鸚鵡返しで聞く。

「僕じゃ無いとダメなんて、言われたから・・暴走した
でも・・まだダメだ」

苦しそうに視線を外し搾り出すように言葉を紡ぐ。

「ダメって?」

凱の言葉の意味が良く分からなくて聞き返した。

「ちゃんとご両親に挨拶してからじゃないと・・・」

そう言って立ち上がって部屋を出て行こうとするので慌てて引き止める。
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