羊だって、変るんです。
『喋り方も性格も可愛らしいと思うんだけど、芯がしっかりしてて男らしいんだよね』
回想で にやけて してしまい、一人なのに恥ずかしくなる。
「でも・・」
― 杏奈の事は大切だから、ちゃんとご両親に挨拶してからじゃないと ―
『そりゃそうかもしれないけど、あの盛り上がりでヤら無いって・・・やっぱり魅力ないのかな』
好きな女性を前にして、手を出さずにいられるものなのか、誰かに聞いて見たい気分だ。
「私が男ならとっくに押し倒してるのに」
随分と物騒な考えをしていると自分でも思う。
「まぁ挨拶が済んだらいいんだよね?てか、私の方が欲求不満なの?!」
自分の発言に突っ込みを入れて、一人百面相を繰り返してしまう。