昼休みが終わる前に。
きっとこのままタイムリープを繰り返しても、心の穴をさらに大きくするだけ。何もできない自分の無力さに絶望し、今度こそ二度と立ち上がれなくなってしまうかもしれない。
私が見ているものは、現実であるのと同時に儚いまぼろしで。
手を伸ばせばそのぬくもりに触れることはできるのに、触れたら泡沫のごとく消えてしまう。
それでも、と思った。
明日もまたここに来たい。
みんなが死ぬとわかっていながら会いに行くつらさより、会える可能性がありながら会いに行かない方が、私にとってつらかった。
たとえ過去を変えられなかったとしても。
たとえみんなと笑い合っている未来はないのだとしても。
それでも私は、
みんなに会いたい。
目尻に溜まった涙が、ぽろっと頬の上にこぼれ落ちた。
私は窓ガラスに額を押し当て、視界を潤ませながら、窓に流れる雨粒を見つめた。
私のすすり泣く声は、降りしきる雨の音と溶け合い、暗い教室の中に漂った。