昼休みが終わる前に。


幸か不幸か、あの事故で自分だけが巻き込まれずに助かった。


みんながいなくなったあと、私は転校せず、誰もいない3年1組の教室に通い続けた。


心に深い傷を負い、無気力になり、勉強に身が入らず、恋人と絶対に合格しようね、と約束していた第一志望の高校に落ちた。


滑り止めの私立高校にはかろうじて受かったけれど、休みがちになった。


それでもなんとか高校は卒業し、そのあとは両親の希望で大学に進学した。進学はしたものの、今度は卒業できずに中退してしまった。


それからはずっと実家に住みながら、両親が経営しているスーパーで働いている。


大学を中退してから、職場と家を往復するだけの生活が始まった。そうしてまたたく間に時は流れ、気がつけばすでに二十七歳になっていた。



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