昼休みが終わる前に。
「りっ、リリ?! 本当にどうし——」
「——っ」
私はふたたび唯人の唇をふさぎ、続く言葉を強引に遮った。一度目に交わしたものとは違う、舌を絡めるような深いキスだった。
唯人の顔が、たちまち耳まで真っ赤になった。
その反応はまるで子供だった。子供そのものだった。自分たちの間にできてしまった年齢の差を感じて、余計に寂しくなった。
「好きだよ、唯人。大好き……」
私は唯人に呼吸する暇も与えないような激しいキスを繰り返した。
唯人の手からペンが滑り落ち、ことりと音を立てて床に転がった。
物理的には唇と唇が重なっているほど近くにいるのに、唯人がどんどん遠ざかっていくような気がして、怖くなった。
私は彼にぎゅっとしがみつき、夢中で唇を求めた。次第に吐息が熱を帯びていく。
けれどいくらキスをしても、そこにときめきの感情はいっさい生まれてこなかった。生じたのは、胸が軋むような寂しさだけだった。