昼休みが終わる前に。




二日後には全員死んでしまうことが信じられないような、明るい笑い声が絶え間なく続いた。私も声が枯れるほど笑った。


悲しい別れになってしまったけれど、それでもみんなと出会えてよかった。


この人たちと同じ時間を過ごせてよかった。


たくさんの笑顔に溢れた思い出を残してくれて、ありがとう。




キーンコーンカーンコーン……




私たちの笑い声に、チャイムの音が重なった。時計から発せられる光で、視界が白く染まっていく。


私はみんなからもらったプレゼント掻き集め、両腕いっぱいに抱えながら、ひとりひとりの顔を見回した。



「みんな、ありがとう。本当に、本当に——……」



途中から自分の声が聞こえなくなった。視界が真っ白になり、みんなの姿が見えなくなった。何もかもが五感から遠ざかっていく。


私はありったけの笑顔を作って、両腕にぎゅっと力を込めた。


その瞬間、腕の中にあったプレゼントが、ふっと空気に溶けるようにして消えた。



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