昼休みが終わる前に。


「一旦、外の空気を吸いに行こうか」


唯人はそう言って、私の手を取って歩き出した。智ちゃんたちも私の背中に手を置き、寄り添うようにしてついてくる。


自分の身に何が起こっているのか、全然わからない。


これが夢でも幻覚でもないなら、タイムリープ?


それとも私がこれまで見てきた世界が全部夢で、本当はこっちが現実……?


唯人に手を引かれながら教室の外に出た、


その瞬間——


まるで無数のフラッシュが焚かれたように、真っ白な光に呑み込まれた。


「リリ——……」


みんなの声が遠のき、視界が大きく歪んだ。繋いでいる手の感触と、背中に置かれた手の感触がふっと消える。



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