昼休みが終わる前に。


そういえば昨日の朝から何も食べてないや……


それなのに、全然お腹が空いていない。もう一日くらい何も食べなくても平気そうだ。


だけどこのまま何も食べない癖をつけちゃったら、この間みたいに突然倒れて、また両親に迷惑をかけることになる。


何でもいいから、とりあえず口にしよう。


麦茶をコップ一杯飲み干してから、お惣菜のパックを冷蔵庫から取り出し、ダイニングテーブルの上に置いた。


電子レンジで温めるのは面倒だったので、冷たいまま食べ始めた。


噛んでも噛んでも味がしない。機械のごとく、無表情で淡々と同じ動作を繰り返すだけで、これが美味しいのか不味いのかもよくわからない。


みんながいた頃は、あんなにご飯を食べることが大好きだったのに。


梢田中学で過ごした時間はどれも楽しかったけれど、その中でもやっぱりお昼休みが一番楽しかった。


みんなで机をくっつけ合ってお喋りしながら食べるお弁当は、本当に美味しかったな……




ふと、箸が止まった。


自分の痩せ細った腕を見て悲しくなった。悲しすぎて、泣きたくなった。



< 39 / 233 >

この作品をシェア

pagetop