昼休みが終わる前に。


「凛々子ちゃん、どうしちゃったのかな?」

「さっきまでは普通だったよね? なのに突然、未来から来ただの、修学旅行の日にバスの事故に巻き込まれて私たち全員死んじゃうだの、変なこと言い出して……」

「何かのドッキリとか?」

「それにしては、演技うますぎない?」


みんなが低い声で、ひそひそと囁き合い始めた。ひどく困惑している。




「一旦、外に出ようか」


唯人は昨日とまったく同じ台詞を言って、私の手を取った。私は反射的にその手を振り払った。


「嫌っ!」

「リリ?」

「教室から出たら私、元の世界に戻っちゃう! 昨日も外に出たらみんないきなりいなくなっちゃって……私っ……」


あぁ、ダメだ。とても冷静じゃいられない。


感情のやり場がわからず、私は唯人の胸を叩いた。


「なんで覚えてないの。なんでっ!」

「ごめん、リリ……」


泣きわめく私を、唯人の両腕がふわりと包み込んだ。



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