昼休みが終わる前に。
「お願い。修学旅行に行かないって約束して……」
唯人は私の目元に手を伸ばし、指先で涙をそっと拭いながらうなずいた。
「わかった。リリがそう言うなら、行かない」
その瞬間、悲鳴にも似た嗚咽が口からほとばしり出た。
私は大声を上げて泣きながら、何度も何度も首を縦に振った。うなずくのに精一杯で、言葉にならない。
みんなを失ってからの十二年間、本当に苦しかった。
つらかった。寂しかった。
みんなの存在は、私にとって光だった。
光を失い、出口の見えない真っ暗なトンネルの中にひとりたたずんでいるような、孤独感と絶望感に呑み込まれる日々だった。
話したいことがまだまだたくさんあるのに、涙は止まるどころか勢いを増して溢れ、嗚咽はいちだんと激しくなった。視界が涙に溺れる。
唯人は私の手をぎゅっと握った。智ちゃんと沙恵ちゃんが私の背中をさすった。和也くんは私に身体を寄せ、そっと肩に手を置いた。
みんなのぬくもりが、全身に染み透ってくる。
すごく、
温かい……
もう、涙は止まらなかった。これまで心の中に溜め続けたものが一気に溢れ出し、涙とともに流れていく。