昼休みが終わる前に。


私は、みんなのいる未来がほしい。


過去を変えられる可能性が一ミリでもあるなら、なんだってやれる。やってみせる。




私は震える足を踏ん張って立ち上がり、教室の外に出た。ゆっくりと教室の方を振り返る。


どうしたらみんなが修学旅行に行かないでくれるのか。


唯人ひとりだけを説得しても、ダメだということなのか。


それなら今度こそは、全員に信じてもらえるように話してみせる。


だから……


だからお願い。




もう一度、十二年前に時間を巻き戻して——



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