昼休みが終わる前に。
お願い。
今日もみんなに会わせて……
私は先生の手を引いて、教室に入った。
その瞬間——
キーンコーンカーンコーン……
チャイムの音が耳を打った。驚きや混乱よりも、使命感に似た感情が胸の中にみなぎった。
私は先生の手首を握っている左手に、ぎゅっと力を込めた。
「私が言っていたのは、このチャイムのことです!」
「チャイム?」
「えっ、まさか聞こえてないんですか?」
先生は耳を澄ませるような仕草をしたあと、首をかしげた。
「何も聞こえないけど……」
うそっ、
なんで?
こんなにはっきり鳴っているのに、聞こえないはずがない。
——と、次の瞬間。
教室の中が真っ白な光に覆われた。私は咄嗟に目をつぶった。
「……凛々子さん……した……こさ——……」
先生の声が一気に遠のき、代わりに賑やかな声が近づいてくる。