昼休みが終わる前に。


そこに並ぶ筆圧の強い少し右上がりの文字。唯人はその上に額を押し付けた。


「俺、今日のこと忘れない。忘れたくない」

「唯人……」




「私も凛々子ちゃんの話、信じる」


智ちゃんは自分の席へ駆け戻っていき、赤い手帳を持ってきた。それを私の前で広げ、唯人と同様、未来の自分に宛てたメッセージを書き込み始めた。


「タイムリープとか、そういう非科学的なことは基本的に信じてないけど、凛々子ちゃんの……親友の口から出た言葉なら信じる」


「私も信じる」

「俺も」


沙恵ちゃんと和也くんも、私の目を見据えてうなずいた。ふたりは自分の席へ戻っていき、引き出しからノートを取り出してメモを書き込み始めた。


それを見ていたクラスメイトたちが、口々に「やっぱり本当なんじゃない?」と言い始めた。



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